一般歯科

むし歯と歯周病

 歯科の2大疾患であるむし歯も歯周病も、ともにデンタルプラーク(歯垢)が原因で起こる感染症で、最近ではTVコマーシャルでも「プラークコントロール」「歯の再石灰化」「歯周病原菌」などの専門用語が飛び交い、市民の歯の病気に対する関心が高まってきています。むし歯予防が行き届いてきて、学校歯科健診でもたしかに子供のむし歯は減少しています。
 また、むし歯ができるメカニズムも分かってきました。初期の段階では、歯の表面からカルシウムが溶け出しますが(脱灰)、適切なブラッシングでプラークを取り除き、新鮮なエナメル質表面を露出させれば、再びだ液中のカルシウム分が沈着してきて(再石灰化)、歯は元に戻ります。ひところ前は、ごく初期のむし歯でも削ってつめたものですが、今はまずブラッシングやフッ素を利用して再石灰化を期待するという方向に変わりました。
 一方で歯周病は、成人が歯を失う最大の原因と言われており、一気にたくさんの歯が巻き込まれる困った病気ですが、近年の治療技術の進歩と発展で、以前なら抜歯適応の歯も残せる可能性が出てきています。
 むし歯と歯周病は、病気の原因となる細菌も、病気の経過も全く違う病気です。ですからむし歯が1本もなくても歯周病になりますし、逆もあります。また困ったことにむし歯と歯周病を併発する場合もあります。

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